こんにちは、yuです。
物理は現象を理解するまでが難しく、それまでに多くの受験生が挫折すると思います。物理が得意だったわたしも物理を学び始めたことは、理解に苦労していました。
今回はそんな物理を学び始めるのにぴったりの参考書だったセミナー物理について解説したいと思います。セミナー物理は学校で配布される参考書だけあって、基礎から発展問題までがしっかり網羅されており、取り組むだけで自然と物理の理解が進む構成となっています。わたしもこのセミナー物理で基礎を築いたおかげで、物理が得意になっていきました。
学校で配布される問題集だけあって、受験物理の参考書で最も使われているであろうセミナー物理。その特徴、レベル、効率的な使い方を徹底的に解説します。
セミナー物理の構成・特徴
セミナー物理の問題数
テーマ | 問題数 |
プロセス | 164題 |
基本例題 | 88題 |
基本問題 | 373題 |
発展例題 | 52題 |
発展問題 | 167題 |
総合問題 | 60題 |
演習問題 | 32題 |
論述問題 | 20題 |
セミナー物理の構成
まとめ
セミナー物理ではまず各章のはじめにまとめのページがあります。
このページでは簡単に公式などがまとめられており、見開きでその章で学ぶべき項目を確認することができます。
このページは本当に良くまとまっているので、セミナー物理を仕上げたあとでも公式の確認に使うことができます。
プロセス
その章で学ぶ上での知識の確認程度の問題です。
基本例題
基本例題からが本格的な問題になります。基本例題では公式を用いてその章の典型問題の解き方を解説付きで確認します。
基本問題
基本問題では基本例題で学んだ典型問題の解き方や、その章で習った公式の使い方を習得できるように典型問題が配置されています。問題数がすべてのテーマで多いことからわかるように、基本問題の網羅性はセミナー物理の特徴といっても良いでしょう。
発展例題
発展例題では基本問題で学んだ考え方をベースに受験標準レベルの問題にトライします。基本例題と同じく問題のすぐ下に解説があります。
発展問題
発展問題では発展例題と同じく、受験標準レベルの問題で構成されています。受験標準レベルとは言っても、基本問題で学んだ考え方をベースにいくつかの解放を組み合わせれば解ける問題で構成されています。基本的にはこのレベルの問題を難なく解けるようになっていれば、物理が得意だと思っていいでしょう。
総合問題
エネルギーまでの力学、単振動までの力学、熱力学、波動、電気、磁気、原子それぞれの章のまとめとなっているのが総合問題。本格的な入試問題で構成されており、難易度も高い問題が揃っています。
演習問題・論述問題
難関大学の対策用に記載されている問題がこちら。物理を理解するためにも取り組んでおきたい問題で構成されています。
セミナー物理の特徴
セミナー物理の特徴はなんといっても基礎の基礎の問題から入試問題レベルの問題までが網羅的に記載されていることです。センター試験のように難しい問題を解く必要がなく、網羅性を要求されるを要求される試験対策にはぴったりです。
また章ごとに基礎から発展まで演習することができるので、スムーズにレベルアップすることができます。多くの高校がこの参考書を配布しているだけはあると思います。
セミナー物理のレベル・難易度
セミナー物理の対象者は?
セミナー物理を使う対象者は物理を初めて勉強する人・センター試験で高得点を狙いたい人向けだと思います。
基本問題の割合が多いことからも、セミナー物理は本格的な受験物理の問題集の中では難易度は低めです。その分、初めて勉強する人にとってはスムーズにレベルアップすることができるでしょう。
また忘れてしまいがちな典型問題も網羅的に記載されているので、難問・奇問を解くことが要求されないセンター試験対策にも最適です。
センター試験に対しては?
上記で述べたようにセミナー物理はセンター試験対策には最適な問題集です。その理由をもう少し詳しく述べます。
一番の理由は基礎的な問題が網羅的に収録されている点です。373題の基本問題で基礎的な問題や公式の運用、典型問題を徹底的に学ぶので、学習に漏れが生じることはほぼありません。センター試験は基本的な問題を漏れなく問われます。
またセンター試験の難易度がセミナー物理の発展問題より、少し易しいぐらいであることも理由の1つです。基本問題を繰り返し解いて典型問題をマスターし、発展問題もある程度解けるようになっていれば、センター試験では高得点が狙えるでしょう。
どのレベルまでならセミナー物理で対応できるのか?
発展問題・総合問題まで繰り返し解き、完全に内容を理解することができれば旧帝大でも十分通用するレベルまで物理の実力を高めることができるでしょう。
物理の問題は難問でもいくつかの典型問題の解放を組み合わせれば、解くことができます。したがって実は物理の実力を高める近道は典型問題を網羅的にマスターすることです。この点においてセミナー物理は他の問題集の追随を許していないので、セミナー物理をしっかり取り組めば、旧帝大にも通用するレベルまで実力は達します。
セミナー物理の効果的な使い方
それではここから物理の初学者を対象としたセミナー物理の効果的な使い方を説明していきます。
まずは基本問題を完璧にしよう
物理を学ぶうえで最も大切なのが基礎です。
どんな難問も基本問題をいくつか組み合わせたパターンで構成されています。そのため、基礎をおろそかにした状態でいくら難しい問題にトライし続けても物理の実力が高まることはまずありません。
よってまずは各章でどんな公式があり、それはどのような問題で使え、どのような現象であるのかを基本問題に掲載されている典型問題で徹底的に覚えましょう。
初学者の場合、基本問題でも難しく感じてしまうと思います。わたし自身もそうでした。しかし2度3度繰り返す度に、徐々に理解できる問題が増えます。
繰り返し解くと時間がかかってしまいますが、このプロセスを大切にすることが物理の実力を飛躍的に伸ばすことにつながります。
発展問題に取り組んでその分野をマスターしよう
発展問題は受験標準レベルの問題で構成されています。
それでも基本問題さえ完璧にこなして公式の運用方法を理解しておけば、ある程度解けると思います。ただ解けなくても特に問題はありません。
基本問題同様に、受験標準レベルでもだいたいは典型問題だからです。したがって、発展問題も幾度か繰り返して、解き方・内容の理解をしましょう。基本問題をマスターしていればこの作業はそれほど難しくないはずです。
もし公式の使い方などがわからなければ、すぐに基本問題に戻って使い方を確認しましょう。この作業の積み重ねが大切です。わからないことをひとつずつ無くすことが確かな実力につながります。
発展問題までを完璧にしたら総合問題にトライ
発展問題を繰り返し解いて理解したら総合問題にトライしてみましょう。
総合問題は長文の本格的な入試問題で構成されています。また各単元の章末的な位置づけで、発展問題とは異なって各章で学んだ内容の複合問題が出題されています。
したがって初めて見る内容の問題が多いので、どのように考えたら解けるのかといった思考力を養うのに最適な問題となっています。基礎問題・発展問題で学んだ解法を総動員してトライしてみましょう。複合問題とは言っても、一問一問の解き方はこれまでと同じだと気づくでしょう。粘り強く取り組んで、初見の内容の問題に対する思考力を総合問題で養ってください。
総合問題までを難なくこなせるレベルになれば、自信を持って物理が得意であると言えるでしょう。
セミナー物理の次に取り組むべき問題集
セミナー物理は物理初学者の段階からスムーズにレベルアップすることができます。しかし発展問題の数が基本問題の数の半分以下であることからもわかるように、受験標準レベルの典型問題の網羅性に欠けます。
そこで、セミナー物理の次には以下の問題集に取り組むと良いでしょう。
名問の森
多くの受験生が愛用しているのが、この名問の森。
典型的なパターン問題が網羅されており、解き方のストックを蓄えるのに最適な問題集です。
セミナー物理で物理の基礎を築いた後だからこそ、効率的に名問の森を使えます。
<名問の森の使い方の記事はこちら>
標準問題精講
わたし自身も現役時代はセミナー物理のあとにこちらの問題集を使用しました。
名問の森がパターン問題のストックを増やす問題集なら、こちらの標準問題精講はストックを増やしつつ、思考力も養える問題集です。
一問一問が長文の問題で難問ばかりで構成されています。公式の使い方や現象を理解していなければ、解けない問題が多いため、基礎の大切さを痛感する問題集です。じっくりと考えて問題を解ことで、物理の実力をもう一段上のレベルに高めてくれる問題集です。
まとめ
・物理を学ぶには基礎が大切
・セミナー物理は網羅性が高く、基礎を学ぶには最適
・セミナー物理はセンター試験対策にも最適
・まずは基本問題、発展問題を繰り返し解いて解法を覚えよう