受験参考書

【参考書】受験物理の標準問題集「名問の森」の効果的な使い方!

こんにちは、yuです。

 

物理は公式と考え方を覚えるてしまえば、あとはどれだけ多くの問題パターンを知っているのかが、成績向上のカギとなります。

その問題パターンの中でも、受験における標準的な難易度の有名パターン問題が数多く掲載されている問題集であるのが「名問の森」です。

名問の森は河合出版から出版されており、有名講師である浜島先生が筆者となっています。

 

今回はこの「名問の森」の効率的な使い方を解説したいと思います。

 

名問の森に取り組んだきっかけ

わたしは再受験時にこの名問の森に取り組み、何周かを解いて無事国公立医学部再受験に成功しました。

 

現役の京大受験時には別の問題集に取り組んでいましたが、旧課程となっていたので、再受験に際して新しい問題集を選ぶことにしました。

京大時代の友人におすすめの問題集を聞いてみると、京大工学部物理工学科首席入学の友人がこの問題集を絶賛していたので、迷わずこの問題集に取り組むことにしました。

医学科に入学してみて、同級生の多くがこの問題集を当たり前のように持っているようなので、普及率から判断しても選んで間違いがなかったと思います。

 

名問の森の難易度・対象

入試問題から良問を選りすぐり、さらに思い切って手を加えました。元々が優れた素材なのですから、磨きをかけることによって「名問」と呼ぶにふさわしいものになったと思っています。2つの問題を融合させた場合もあります。(北海道大+九州大)などとしたものがそうです。ただ、名問はしばしばレベルの高い問題にならざるを得ません。本書は上級者用の問題集です。

引用:名問の森より

上記の内容が、名問の森の2ページ目に書かれています。

上記の通り、模試や過去問で何度も目にするようなパターンの問題が数多く記載されています。それだけ多くの問題として出題されるということは名問であることのあかしだと思います。

 

私自身が使用してみた印象としては「中級~上級」用の問題集です。難系などのように高難度ばかりの問題で構成されてはいません。標準的な問題が圧倒的多数で、ちらほら難易度の高い問題が含まれているといった感じです。つまり、難関大を目指すならば最低限押さえておきたいレベルの問題でほぼ構成されているといえるでしょう。

 

したがってその標準的な問題をマスターすべき受験生が使用対象であると考えるならば、旧帝大や医学部、東京工大が志望校である上級の受験生だけでなく、それに準ずる難易度の大学を志望している受験生も使用対象であると考えてよいと思います。

 

問題の中にはかなりの難問も含まれています。志望校からそのような難易度の問題が出題されなくても、物理的な思考力を養う意味でも、本書を使用しても良いと思います。

 

名問の森の構成

名問の森は「力学・熱・波動Ⅰ」、「波動Ⅱ・電磁気・原子」の2分冊で販売されています。

問題構成

入試問題でもメインとなる、力学・電磁気に豊富な問題が揃えられています。2分冊となっているだけあって、十分な問題量となっています。

またほとんどの問題が入試問題典型のパターン問題となっているため、学習効率が高い問題ばかりです。

特に、力学・電磁気は良問が多いという印象です。

力学:合計43題

放物運動:3題

剛体のつり合い:3題

運動方程式:4題

エネルギー保存則:2題

運動量保存則:2題

保存則:5題

慣性力:5題

等速円運動:3題

円運動:3題

円運動・単振動:1題

単振動:10題

万有引力:2題

熱:合計16題

比熱・熱容量:1題

気体の法則:1題

分子運動論:2題

熱力学:12題

波動Ⅰ:合計14題

波の性質:1題

反射・定常波:1題

弦の共振:2題

気柱の共鳴:1題

波の式:1題

ドップラー効果:4題

反射・屈折の法則:1題

レンズ:1題

光波:1題

波動Ⅱ:合計9題

波の干渉:2題

光の干渉:7題

電磁気:合計44題

静電気:6題

コンデンサー:9題

直流回路:9題

電流と磁場:1題

電磁誘導:10題

過渡現象・交流:1題

交流:2題

電磁場中の粒子:6題

原子:合計14題

光の粒子性:3題

X線管・物質波:1題

原子構造:3題

原子核:7題

レイアウト

分野に対応した問題がまず記載されています。

問題ごとに基本~難までの4段階でレベル分けされていますので、一目見るだけで問題の難易度を知ることができます。

またとくに重要な問題には問題番号に赤い印がつけられています。

 

問題の次ページ以降に解説が記載されており、スムーズに問題の解説を読むことができるようになっています。

また解説部分には、Baseで骨格となる法則や考え方が簡単にまとめられているので、ここで公式の確認などもできます。

 

名問の森の解説はたくさんの図を用いていることが特徴です。物理の問題集は単なる数式の羅列で構成され、どこのどの部分を表している式なのか、理解することが難しい解説も多いです。

しかし、この名問の森の場合は多くの図を用いて見える化されており、かつ日本語による解説も豊富です。また受験生がうっかりミスをしそうな部分では吹き出しで注意を促してあったりもします。

 

名問の森の効果的な使い方

ここからは名問の森の効果的な使い方について説明していきます。

名問の森を使い始める前に

まずはセミナー物理などの学校で配布されるような問題集をこなして、公式の使い方・物理的思考を養いましょう。

受験物理は基礎がしっかりしていないと問題集を解いても、物理現象を理解するのではなく、単純な解答暗記になってしまい、類題ですらどのように解いたら良いのかわからなくなってしまいます。

基本的な問題集をこなすことは、一見遠回りに感じるかもしれません。しかし、この作業をする・していないでは難易度が高めの問題集をやった時に伸びしろが大きく変わってきます。

したがってまず名問の森に取り組む前に、物理の基礎を築くことを大切にしてください。

名問の森はいつから始めたらよいのか?

上記のような基本的な問題集が終わればすぐにでも取り組んで良いと思いますが、ここで注意です。

 

力学や波動など、単元ごとに終わらせてからその分野の名問の森にステップアップするのも悪くないと思いますが、必ず一冊を完成させてから名問の森に移行してください。

例えばですが、単元ごとに集中してしまうと初期に学習する力学を終えてから、電磁気を終わらせるまでかなりの期間があります。

したがって、せっかくハイレベルの問題も解けるようになった力学もそれだけの期間を空けてしまうと、頭から知識が漏れてしまいます。また難問などの場合、分野を超えた知識が必要になる場合もあることも理由の一つです。

 

基本的な問題集を繰り返し解いて、習得→忘れる→再習得のステップを経たあとであれば、名問の森を解くときにも基礎がしっかりした状態で臨むことができます。

このように基礎がしっかりでき上った状態で名問の森を始めてください。

 

また学年的な意味でいうと難関大であればあるほど、このステップは早い時期であるに越したことはありません。現役生はどうしても理科が遅れてしまいガチになります。

高2のうちに基礎を築き、高3になるまでには名問の森を解き始めることができるレベルにあるのが理想です。

 

もちろん、高3の途中から名問の森に取り組むのも良いと思います。しかし、その場合はいつまでに終わらせるのかを考えて、計画的に取り組んでください。2分冊されているように、問題数が多いので消化不良になりかねません。

まずは一通り解く

いよいよ名問の森に取り組みます。まずは問題を解いてみましょう。1周目解くときには考え方などもわからない場合が多いと思いますので、問題の下に記載されているポイント・ヒントを見ながら解いてもかまいません。

ポイント・ヒントには有名問題をどのように解いたらよいのかというエッセンスが多分に記載されています。

 

解説を読む時は思考過程を大切にする

解いた後は解説を読み、答え合わせをします。

問題がわからなかった場合は思考過程を抑えて解説を読みましょう。等式で式と式が繋がれている数式を見るのは簡単ですが、それらが何故等式で繋ぐことができるのかを理解することが大切です。計算式一つ一つに理由を考え、何を算出するための立式なのか・どのような法則に基づいての立式なのかを大切にしてください。思考過程に対して常に疑問を持って、わからないことを一つ一つ無くすことが最も大切です。

 

また数値や数式が正解であっても解説を必ず読みましょう。

物理は人によって見方・考え方が違います。ここで解説を読むことで、名問の森での考え方を学び、幅広い物理的思考を手に入れましょう。自分に合う・合わない考え方があると思いますので、自分に合う場合は積極的に習得すると良いです。

名問の森の解説には別解が記載されている問題もあるので、この点でも優れているといえます。

 

3周繰り返し解く

1周目は初見の問題であったり、考え方がわからない問題が多く、かなりの時間を要します。しかし、2周目以降では思いのほか時間がかかりません。3周目はなおさらです。また時間に反比例して繰り返し解いた時には前知識がある分、得られるものも多いので必ず繰り返し解きましょう。

 

2周、3周目解くときに意識すべき大切なことは、自分の苦手な部分を発見することです。名問の森は問題ごとに分野が明記されているので、特にこの作業をするのが簡単です。できなかった問題はそれが自分の苦手な分野であることを自覚し、重点的に補強しましょう。

 

名問の森の次の問題集は?

名問の森が終わった場合、次の3パターンのいずれかに取り組むと良いです。

旧帝大の過去問で演習

この過去問演習をおすすめする意図はアウトプットの練習です。名問の森などの問題集は典型問題を集めており、単元ごとに揃えられて問題が構成されています。したがって名問の森では見ることのなかった複合問題や設定の新しい問題に挑戦することができます。

このような問題は基本的には典型問題をいくつか組み合わせた場合が多いので、名問の森を完成させていれば手も足も出ないということはないでしょう。むしろ今までの知識を基に考える力を養うことができるので、効率良く実力を伸ばすことができます。

標準問題精講

名問の森と同等もう一段上のレベルの問題集がこちら。

名問の森よりも長文の問題で構成されており、より思考力が養える問題で構成されています。典型問題や良問で構成されており、効率良く実力を伸ばすことができるでしょう。

解説も丁寧なので、今までになかった発想も得ることができます。

難問題の系統とその解き方

言わずと知れた通称:難系です。東大や京大でも確実に合格レベルの点数を取るにはこの問題集の右に出る問題集はないでしょう。

演習問題の解説が不親切との評判がありますが、名問の森をしっかりこなしておけば十分に扱えるレベルです。

難系は仕上げるのに時間がかかるので、なるべく早めの時期から始めるのがおすすめです。

 

まとめ

名問の森の効果的な使い方について述べました。

名問の森は完全にマスターするとかなり高い学力に到達することが可能です。

ぜひ名問の森をマスターすることで物理のパターン問題を習得し、物理を得点源にしてください!

 

 

<再受験時代の模試の結果はこちら>

・【再受験】再受験時代の成績(マーク模試)

・【再受験】再受験時代の成績(記述模試)

 

 

 


こちらの記事もおすすめ!