こんにちは、yuです。
医学科は留年者の数が多いことが有名です。特に偶数学年である、2、4、6回生は鬼門とも呼ばれ、2桁以上の留年者を輩出するのもザラです。わたしの大学でも2回生になると、10名強の留年生が新たに同じ学年となりました。
2回生は基礎医学、4回生は臨床医学、6回生は卒業試験・国家試験の勉強が大変なようです。
今回は2回生ではどのような基礎医学の講義があるのかを解説していきます。(難易度は体感と周辺大学での評判を参考にしています)
組織学

難易度:★☆☆
細胞間に見られる構造や機能的な関連性に着目した学問。臓器などの正常な構造を理解することで、病理などで臓器の異常がどのような機序で起こったかを後々理解するのに役に立つ。
総論で上皮組織、結合組織、神経組織、筋組織、細胞や血液といった各臓器に共通する構成成分を学ぶ。その後、各論で胃、腸、肝臓、す膵臓、腎臓、リンパ節、視覚器、聴覚器、内分泌、皮膚、心臓、脈管系、生殖器、脾臓など、全身の組織について細かく学ぶ。
座学のほか、顕微鏡を用いて組織の切片を観察してスケッチもする。
基礎医学の入門的科目。覚えることはそれなりに多く、スケッチも大変だが組織学で留年する学生はあまりいない印象。

肉眼解剖学
難易度:★★★
医学部じゃなくても聞いたことのある解剖学。そして講義・実習があってかなり大変な科目。
数か月にもおよぶ講義と実習を通して人体構造について隅々まで名称を覚える。試験が大変な大学では日本語、英語、ラテン語も覚えなければならないという噂も。また名称以外にも血管、神経などの走行、筋肉の起始と停止など、とにかく覚えることが多く、大変。
解剖実習は連日力仕事から細かい作業まで長時間にも渡って行うため、体力もかなり消費する。さらに予習、スケッチなども並行してやらなければならないので、やらなければならないことに追われる日々が続く。。。
それでも忙しいことに対する対価というか、身につくものはものすごく多い。実際に臨床の先生方も一番役に立つ科目は解剖学であるとおっしゃる方が多いそう。
神経解剖学
難易度:★★☆
脳や神経系についての解剖学。何となく名前を聞いたことがある臓器や筋肉と異なり、初めて耳にする言葉が多い。三叉神経主知覚核、三叉神経脊髄路など、難解で似たような用語のオンパレードなので、肉眼解剖学同様覚えることが大変。脳や神経のネットワークも複雑で、立体的な配置がわかりずらいことも相まって、理解することも難しい。
広島大学医学部で医学生全員120名が追試で不合格にされたのもこの科目。

生理学

難易度:★★★
解剖学と並んで、医学部での進級の関門となるのが生理学。
生体の複雑な生命現象を物理化学的手法を用いて理解する学問。細胞生理、神経生理、腎生理、消化器生理、呼吸生理、内分泌生理、循環生理、血液生理、酸塩基平衡などに分類され、それぞれについて生理機能を学び、生体の機能を包括的に理解する。その範囲の広さから留年者を多数輩出する。
しかし人体の仕組みを学ぶものであり、the医学部という内容のため、医学に興味のある人にとっては楽しめる。心電図の読み取りや、心周期、酸塩基平衡あたりは理解すると面白い。逆の場合は本当に大変そう。。。
そういえば医学分野のノーベル賞の名称もノーベル医学・生理学賞ですね。生理学という分野の大切さを物語っています。

生化学
難易度:★★★
医学に関係した生命現象を分子レベルで理解する学問。
高校化学で高分子有機化合物のような内容から始まり、酵素、糖代謝、脂質代謝、窒素代謝、分子生物学的なことなどを学ぶ。生化学は医学研究の基本となるため、正しく理解することは疾患の病因や病態の解明と合理的な治療の開発につながるため、研究のためには重要。生化学の実習ではピペットワークなど研究に必要な実験手技なども学ぶ。
解剖や生理学はなんとなくイメージできることが多いが、生化学は分子レベルのことを扱うので、イメージでとらえる人は苦手なよう。また医学というよりも、高校化学の延長のような感じ。解剖学や生理学同様に覚えることが膨大なので多数の留年者を輩出。

免疫学
難易度:★★☆
本庶佑先生がノーベル医学生理学賞を受賞され、ホットな分野。自己と非自己の識別が特徴となる学問。T細胞、B細胞、抗原受容体、免疫グロブリン、細胞接着、サイトカインなどについて学ぶ。アレルギーやアトピーといったことも。
近年生命科学の中でも発展が目覚ましい分野。おそらく今の学生が勉強している内容と10年後の学生が勉強する内容は大きく変わるような気がする科目。
そもそもの内容が難しいため、教官に優しくされることが多い。そのため、追試となることは多くても進級には優しい大学が多いのだとか。

まとめ
自大学や聞こえてくる他大学の噂などでまとめてみました。
簡単に難易度を振りましたが、結局大学ごとによってかなり違うので、進級には先輩たちから正確な情報をもらって対策するのがよいでしょう。