こんにちは、yuです。
化学を学習する市販の学習本は幾多の問題集・参考書があります。その中でも圧倒的に有名であり、東大・京大・医学部を始めとする難関大学志望者から絶大な支持を得ているのが「化学の新演習」です。
今回はこの参考書の紹介をしたいと思います。
この記事の目次
化学の新演習について
化学の新演習の構成
問題数合計:311題
第1編 物質の構造
1:物質の構成と化学結合(問題数:25)
2:物質量と化学反応式(問題数:11)
第2編 物質の状態
3:物質の三態と状態変化(問題数:3)
4:気体の法則(問題数:15)
5:溶液の性質(問題数:24)
第3編 物質の変化
6:化学反応と熱(問題数:11)
7:反応の速さ(問題数:9)
8:化学平衡(問題数:16)
9:酸と塩基の反応(問題数:13)
10:電離平衡(問題数:12)
11:酸化還元反応(問題数:6)
12:電池と電気分解(問題数:21)
第4編 無機物質の性質
13:非金属とその化合物(問題数:19)
14:金属とその化合物(問題数:19)
15:無機化学総合(問題数:9)
第5編 有機物質の性質
16:脂肪族化合物(問題数:26)
17:芳香族化合物(問題数:46)
第6編 高分子化合物
18:天然高分子化合物(問題数:30)
19:合成高分子化合物(問題数:16)
化学の新演習の各分野の特徴
理論化学
他の問題集と本書を比較して結晶格子・溶液・化学平衡・電池の分野の問題が非常に豊富です。特に溶液の分野の問題の網羅性に関しては他の問題集の追随を許していません。
無機化学
単体・製法・実験・錯イオンなど、どの分野も偏りなく充実しています。
有機化学
難易度の高い構造決定はもちろん、他の問題集よりも実験方法を問う問題が豊富です。
化学の新演習の難易度
本書の問題の難易度は下記三段階に分類されています。
★印:標準~発展的な内容を少し含む典型的な重要問題。
★★印:発展的でしかも思考力を要する応用問題。
★★★印:程度の高い内容を含むやや難しい問題や新傾向の問題。
化学の新演習より
★印
★印は本当に典型的な基本問題です。
突っ込んだ内容まで問われている問題もありますが、この問題をスムーズに解けない場合はもう一段階難易度の低い問題集を再度取り組んだ方が良いでしょう。
★★印
★★印は応用問題ですが化学の新演習でマスターすべき内容です。
基本を押さえた上で、その知識を用いて考えて解く問題が多いです。したがって化学的な思考力を養う良問で構成されていると言えるでしょう。
★★★印
★★★印は難問または見慣れない内容の問題です。
見慣れない問題は★印などで学んだ基本問題を単純に暗記しているだけでは解けません。ただし考え方さえ、理解していれば難易度はそれほど高い問題ではないことが多いです。難問は本当に難しい問題から構成されています。この類の問題が解ければ確かな実力があると考えてよいでしょう。
化学の新演習を使うメリット
範囲の網羅性
化学の新演習の一番の良さはこの範囲の網羅性です。構成の部分で紹介しましたが、問題数は300問overが収録されています。理論・無機・有機すべての範囲がまんべんなく収録されているので、これ1冊やっておけば勉強に抜け漏れができません。
基本問題から難問まで収録
難しい問題集であれば、難問ばかり収録されていて基本問題がおろそかになるケースがあります。しかし、化学の新演習ではほとんどの章に★印の典型問題が収録されています。そのため、難問を解く前にその分野の典型問題を復習できる構成になっており、効率の良い勉強ができる問題配置になっています。
普及率の高さ
大多数の周囲が使っている問題集に悪い問題集はありません。実際に東大・京大・医学部受験者の多くがこの化学の新演習を使っているので、こちらの問題集を高いレベルでこなしていれば、そうそう周囲に後れを取ることはありません。
「化学の新演習」使用対象の受験生
東大・京大・単科医科大学など、難易度の高い問題を出題する大学を志望している場合は使用対象といえます。
京大受験時には私は使用していませんでしたが、有名進学校出身の友人の多くはこの問題集を使用していました。したがって周囲の受験生に対して取り組んだ問題数や質で後れを取らないためにも取り組む価値があるでしょう。
私は再受験時に化学の新演習に取り組みましたが、現在の医学科でも使用していた友人がいます。上記大学ほどの難問を受験時に解く必要がある、国公立大学の医学科はそれほど多くないと思います。しかし、典型問題を確実に高得点取ることを目標にした場合、勉強量に対して成績の向上が確実に見込める化学だからこそ、こういった問題集に取り組む価値があると思います。
「化学の新演習」の化学の実力を底上げする使い方
化学の新演習に取り組むまでの準備
いきなり化学の新演習を使う前に、セミナー化学・重要問題集といった網羅型の問題集を2~3周ほどして、ある程度標準問題をマスターしておく必要があります。
化学の新演習は解説が充実していることで有名ですが、解説を理解するためにも知識が必要となってきます。
また化学の新演習はその問題数の多さから、1周するのにかなりの時間を要します。したがって理解できない問題が多過ぎると時間がかかり過ぎてしまい、いたずらに時間を浪費することになってしまします。
いよいよ化学の新演習にトライ
まずは一通り自力で取り組んでみましょう。問題に取り組むペースとしては1日数題程度で問題ないですが、できるだけ毎日化学の新演習に取り組みましょう。
構成で述べたように本書は非常にボリュームが多いので、計画的に取り組まなければ消化不良になってしまいます。
「化学の新演習」1周目
★印の問題は確実に解答できることが望ましいです。したがって間違えた場合には翌日および数日空けて再度解答を読むようにしましょう。暗記事項も多いですので、繰り返すことで知識を定着させることを意識して下さい。
★★印の問題は後々模試や入試本番差がついてくるのが、この程度の難易度なので最終的には解ける必要があります。したがって、正解した場合も間違えた場合も解説を読んで考え方をひとつひとつ確認しながら解き進めていきましょう。
★★★印の問題は取り組む際に解答時間を設定し、時間をかけないようにしましょう。1周目には解けなくても問題ないです。解説を読んで理解する程度で問題ないです。
1周目はとにかく頑張ってやり抜きましょう。1周目をやり切った時点である程度実力はついていると思います。
「化学の新演習」2周目以降
2周目以降では★★印の問題も確実に自分のものにすることを意識して取り組みましょう。取り組み方としては、1周目の際に★印の場合に適用した方法で問題ないです。できれば★★★印の問題も確実に解けるようになることが望ましいですが、まずは★★印の問題を優先してできるようになってください。
また無機・有機分野では問題を解く以外にも参考書代わりに解説を読むのも良いです。単純に知識を習得するだけでなく、それに対応した問題が記載されているので記憶にも定着させやすいからです。程度の高い知識も収録されていますが、そういった知識も習得することが実力の底上げにつながります。
おそらくどんな人にも苦手分野はあると思いますが、苦手分野はできるようになるまで重点的に繰り返してください。本書の問題だけでもできるようになっていれば、周囲の受験生に対して遅れを取ることはまずないと思います。
化学の新演習を終えた後にすべき勉強
新理系の化学問題100選
たいていの受験生は化学の新演習を終えた時点で受験シーズン手前になっているはずです。それでも最難関の大学で高得点を取りたい場合や比較的早めに化学の新演習を終えた受験生はこちらの問題集を使うと良いでしょう。
問題数が100問+αながら、タイトル通り選び抜かれた良問ぞろいの問題集です。解説も詳しく化学の理解がさらに深まるでしょう。
過去問演習
過去問演習をして、わからなかった問題や苦手な問題を洗い出しましょう。それらの問題の類題をこの問題集で探し、理解できるまで何度も解いて完全に自分のものにしていくのがおすすめです。
まとめ
化学の新演習についてまとめてみました。本書は確かに化学の実力を底上げしてくれる問題集です。
しかしながら、この問題集を取り組むためにはある程度標準問題が解けるようになっておかないといけません。参考書選びを間違えないためにも、自身の学力を客観的に評価して参考書を選ぶようにしましょう。
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